第34章 緊急事態、柱合会議
「あの、煉獄さん…どうし、」
男「煉獄。普通の人間はその様に化けたりはしない。いつまで得体の知れない生き物をお館様のお屋敷に置いておくつもりだ。」
まだ紹介されていない不機嫌そうな声の主を探すと 少し離れた所にいるしのぶの近くの木の上に細身の男が寝そべっていた。
桜はその姿勢に目を大きくするも あまりじろじろ見ては失礼だと思い、すぐに駆け寄ってお辞儀をする。
「初めまして!一ノ瀬 桜と申します!!こちらへはお館様に呼ばれて来ました!本当は明日の予定だったのです、が………………白蛇さんだ…初めて見た……。」
顔を上げた桜は男の首元で自身に向かって尋常じゃない様子で威嚇している白蛇が居る事に気が付いた。
白蛇を幸運を呼ぶ者と記憶していた桜が白蛇に見惚れて男のネチネチとした言葉を悪気なく聞き流していると、杏寿郎もそこへ歩み寄り男を見上げる。
杏「小芭内!挨拶が遅れてすまない!!うむ、元気そうだな!桜は訳あってこの様な姿をしているが紛れもなく人間であり信用出来る女性だ。既にお館様とも二人きりでお会いしている。」
桜は杏寿郎の声音が普段の時の様に少し柔らかくなったのを感じ 杏寿郎を見上げながら安心したように目を細めた。
杏「桜、こちらは伊黒小芭内、蛇柱だ。」
「あ、下の名前だったんだ…。」
そう呟くと桜はもう一度小芭内を見上げる。