第34章 緊急事態、柱合会議
(落ち着いた雰囲気の女の子と…信じられないくらいおっきな男の人…す、すごい体格差……。)
二人とも杏寿郎が来る気配を察知して視線を桜達へ向けていたが、女の子は笑顔のまま固まり、大男は白目を剥いていた。
杏「悲鳴嶼さん!胡蝶!久しいな!!元気そうで何よりだ!!桜、あちらに居るのが岩柱の悲鳴嶼行冥さんと蟲柱の胡蝶しのぶだ。」
「こ、ここんにちは!!!一ノ瀬 桜と申します!!どうぞよろしくお願いします!!!」
緊張しながらも桜は精一杯の挨拶をしたが返事が全く無かった為におそるおそる頭を上げた。
目が合うと女の子は笑顔のままであったが、桜は先程より自身から遠退いているような気がして首を傾げた。
困惑したまま今度は大男を見るとそちらは変化なく相変わらず白目を剥いている。
「……杏寿郎さん…どうしたんでしょう…………。」
杏「うむ、妙だな。よもやお館様から話を伺っていないのだろうか。」
そう言いながら杏寿郎が二人の元へ歩いて行ったので桜も後に付いて行くと、しのぶは笑顔のままスススと後ろへ下がった。
対して行冥は堂々とした雰囲気のまま口を開く。
行「ああ、すまない。紹介の通り私は悲鳴嶼行冥だ。纏う空気があまりにも妙だったので様子を窺っていた。お館様からは何も聞いていない。」
杏「なるほど!胡蝶は一体どうしたのだ!!いつの間にそこまで行った!!!」
その言葉を聞いて桜が杏寿郎の視線の先を見るとしのぶは庭の端で微笑んでいた。