第34章 緊急事態、柱合会議
――――――
「…………あれ?今回は目隠しをしないのですか??」
桜がそう不思議そうに訊くと杏寿郎は眉をキリッと上げて元気の良い声を返す。
杏「うむ!道も覚えておくといい!!一人で行かねばならない時が来るかもしれないからな!!」
「…そうですね。」
先の事を考えて少し心細くなりながらも桜はすぐに気持ちを切り替えると周りの景色に目を遣り 道を覚えるように努めた。
―――
大きな屋敷、産屋敷邸の前に着くと杏寿郎はザーッと足を滑らして勢いを殺し桜を地面へ下ろす。
「ありがとうございました!!」
桜が緊張からか力んだ声を出すと杏寿郎は太陽のような笑みを浮かべて桜の頭をぽんぽんと撫でた。
杏「庭へ行くぞ!!」
「は、はい!!」
杏寿郎を追って立派な庭へ出ると早速二つもの人影が見え 桜は尻尾をピンッと硬直させた。