第34章 緊急事態、柱合会議

し「お気になさらずー。」




しのぶは聞き心地の良い女性らしく柔らかい声を出したが 梃子でも動かなさそうな空気を出していた。




「女性がいてとっても嬉しいのですが…、もしかして嫌われている…のでしょうか……。」




桜がそう髭を下げて悲し気な声を出すと杏寿郎は にこっと笑う。




杏「うむ！！火を見るよりも明らかだな！！！」




悪気はなさそうであるものの家にいる時とは少し違った杏寿郎のストレートな言葉としのぶに嫌われている事実に露骨にショックを受けていると、桜の空気を妙だと言った行冥が意外にも優しい声色を出した。




行「大勢の人間を心の目で見極めてきた私には分かる。空気は妙ではあるが、君は決して悪い人間ではないな。」



杏「よもや もう人だと分かられてしまうとは！桜、やはり柱相手には癒猫様の振りをするなど到底無理な話であったようだな！！」




「は、はい………。」




(驚いて白目になってるんじゃなくて盲目の方だったんだ…それにしてもこんなに早く…！)


「…す、すごい……すごいです！心の目で分かっちゃうなんて…！ではもう人の姿に戻っていいですか！？」


杏「それは出来る限り待ってくれ！！！」




それに桜が納得いかないような声を出すと しのぶがいつの間にか近付いて行冥のすぐ近くに立っていた。