第34章 緊急事態、柱合会議
「桜、今日の髪は俺に結わせてくれ!!」
その言葉に不思議そうに首を傾げるも桜はすぐ素直に頷いて微笑む。
「ありがとうございます!では着付けたら下ろしたまま向かうのであちらで待っていて下さい。」
それを聞くと杏寿郎は笑顔を浮かべて返事をし、千寿郎の頭を労うように撫でると一緒に離れを出て行った。
(もしかして私の結い方って変だったのかな…そういえばここの家の中でしか自分で結ってない。お外だと恥ずかしい出来だったのかなあ……。)
桜はそう思いながら首を傾げると、『今度千寿郎くんにちゃんと習ってみよう!』と気合いを入れて頬を叩いた。
―――
「ごちそうさまでした!今日も千寿郎くんの美味しいご飯のおかげで元気に一日を始められるよー!!」
そう言って桜が少し無理したような笑みを浮かべると千寿郎も手を合わせて微笑む。
千「ありがとうございます。今日は………きっと上手くいきますよ!」
千寿郎は『気を付けて下さい』と言いたかった所をぐっと堪えた。
そしてその言葉によって抱いていた不安が少し減った桜は力が抜けて柔らかく微笑むことが出来た。