第33章 準備期間
「杏寿郎さん…杏寿郎さんっ!頼勇さんが笑った様子が私の父のものにとても似ています!!」
杏「そうか!!素敵な御方なのだろうな!!!」
二人に眩い笑顔を向けられると頼勇は少し困ったような笑みを浮かべた。
頼「私はまだ三十二ですよ。」
「ごめんなさい…!老けてるという訳ではなく…とっても優しい笑顔が似てたんです。」
そう桜が微笑むと、頼勇はその笑顔を驚いたように ぼーっと見つめた後また優しく微笑んだ。
杏「ここからは家が近いので鬼殺隊として利用する事はないと思うが また癒猫様に会いにくるのでその時はまた宜しく頼みたい!!…むぅ、埒が明かないな!!!」
杏寿郎はどんどん門へ集まってくる人混みを掻き分けていたが、切りが無い事を認めるとそう言って桜を横抱きにする。
「ありがとうございました!!ご飯も温泉もとっても素晴らしかったです!!!」
ここを発つのだと察した桜が慌てて大きな声を出すと それを確認した杏寿郎は桜を横抱きにしたまま跳躍して人混みを抜け、そのまま走り出した。
―――――