第32章 ※ちぐはぐな心と体
杏「だが、昨夜よりずっと君の体は喜んでいるぞ。体がこのまま強く欲するように変わり続けた場合、君の気持ちは変わらずにいられるだろうか。」
「そ、れは……、」
杏「今夜は怖い気持ちよりも体の辛さの方が強いと言ったが、単に怖いという気持ちが小さくなっていただけなのではないのか。」
「……………そんな……そんな、筈……、」
桜が動揺してすぐに否定出来ないでいる姿を見ると杏寿郎は微笑んだ。
杏「鎌をかけたのだが それ程に動揺するとは驚いたぞ。これから先この行為を求めて疼くような体になれば俺に言ってくれ。揶揄ったりなどせずにしっかりと責任を取ると誓う。」
そういたって真剣に言われ甘く頬を撫でられると 桜は湯気が出そうなほどに顔を真っ赤にさせる。
杏寿郎はその様子に目を細めて再び頭を撫でると 余裕の無くなった桜の奥を突くように再び激しく腰を動かしだした。
「や、まって…ッ!!…ーーーーーーーッッ!!……ッッ!!!はッ…ぁ、ッッ!!!」
昨夜よりも遠慮のない動きに桜は達したまま戻れなくなり、辛そうに眉を寄せて固く目を閉じる。
(……い、息…できな…、)
杏寿郎は桜の様子にすぐに気が付くと腰の動きを緩め、力を抜かせるように優しく額に口付けた。