第32章 ※ちぐはぐな心と体
「ま…ッ!まっ、て……!何で……ッ」
杏「体が熱くて辛かったのだろう!ゆっくり動いてすまなかった!!」
「ち…ちがッ、きゃあっ!!」
杏寿郎は奥深くにズンッと挿れると抜かずに桜をうつ伏せにさせる。
そして休ませずに覆い被さって腰を打ち付け続けた。
「や!やだっ!!やめ、それ…!!やぁぁーーーーッ!!!」
杏「随分と見事に達したな!愛いぞ!!君が声を押し殺せないとは珍しい!!獣の交尾のような体勢を好むとは…ッ、普段の君からは俺以外の男は想像も出来まい!厭らしくて堪らない!!」
そう言われ褒めるように頭を撫でられると また桜の中がきゅっと締まる。
それがまた堪らなく愛らしく感じ、杏寿郎は腰の動きをゆっくりにさせると桜の両腕を布団に押さえつけて耳元に口を寄せた。
杏「俺も君の顔が見える体勢の次にこれが好きだ。君の抵抗できない姿にぞくぞくとした感覚を覚える。どの体勢でも君の力では無抵抗と変わらないというのに非常に不思議だ。」
「…わ、私も……たしかにこれだと声が出ちゃいますが、私も杏寿郎さんの顔を見てするのが一番好きです…。」
状況に不釣り合いではあったものの、その様に照れた声を聞くと杏寿郎も思わず普段の柔らかい笑みを浮かべた。