第30章 弟と姉の絆
杏寿郎は与えられた部屋を出ると気に掛かっていた水琴について聞きに二人の隊士の元へ足を運んだ。
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杏「水琴さんと思われる鬼を庇う女性と、それに固執した鬼か。その女性は鬼を何と呼んだんだ。」
茂「ヒロトと呼んでいました。」
杏「そうか。勇重さんに話を聞かねばな。それはそうと君達!武器は見つかったか!」
隆「俺は斧にします!呼吸も岩なので悲鳴嶼さんを意識しました!」
茂「安易だな。悲鳴嶼さんのは異色の武器だ。刀を使うお前の型と違うだろ。一刀流だしな。」
杏「岩か!!とても珍しいな!!!うむ。それでその体付きなのだな。力強い攻撃を期待しているぞ!坂本は何を選んだんだ!」
茂「俺は木刀にします。刀と形が似ていれば岩にされようと技との相性も良いと思いますし…。と言っても打撃となるとあまり威力は上がらないのですが…。」
隆「こいつの呼吸は水です。」
茂「馬鹿にしたような言い方するなよ。水の呼吸を使う奴は多いんだ。敵を沢山作るぞ。」
杏「なるほど。水は受けに適している足運びの多い型が多い。今回の慣れない戦いに柔軟性は必須だ。期待しているぞ!」
杏「では!俺と澤村が攻撃役を受け持とう!!坂本は一般人がいればその方達を守りつつ状況を見て加勢してくれ!俺は絶えず攻撃を与え続ける。必ず隙を作るのでそれを逃さずに澤村、お前が首を斬れ!以上だ!!」
隆「え!?俺が斬るんですか!?煉獄さんじゃなくて…?」
杏「では君が隙を作ってくれるのか。」
そう笑顔で問われると澤村は今までの戦いを思い出してすぐに首を横に振った。
杏「では決まりだな!出発は三十分後!門に集まってくれ!!」
茂&隆「「はい!!!」」