第29章 大神さまの正体と目的、暴力の訳
―――鬼が一番問題なの。それに比べたらどうでも良い。嘘はつかない。
―――それから あの神にも手伝わせて。今、わたしが見つけたからあの体から追い出されちゃったみたいだけど、またあの神にも使えるようにしてあげる。
(…ユキにも……、)
―――じゃあ、頑張って。
桜がまだ戸惑っているうちに有無を言わさない調子で締めくくると、辺りは暗くなってしまった。
そして、視界が暗くなるのと同時に杏寿郎の固い声が聞こえてきた。
杏「桜…、桜。」
その声と自身を包んでいる熱い体温に酷く安堵し、桜はすぐ杏寿郎に抱きついた。