第28章 藤の花の家紋の家と癒猫様
するとユキは桜に擦り寄り、尻尾で桜の体を包んだ。
ユ『大丈夫だ。私が側にいる。戦えるような力を持つ神でなくともおかしな輩には指一つ触れさせない。安心しなさい。』
それを聞くと桜はユキに抱きついた。
「ユキの事は頼りにしてるんだよ。ただ、杏寿郎さんを心配してしまったの。あと少し寂しかっただけ…。」
そう言うと顔を両手でパンッと叩き気持ちを切り替える。
「ユキ。たくさん話したい事がある。私は私で話をまとめたい!協力してくれないかな…?」
桜がそうお願いするとユキはゆらっと尻尾を揺らした。
ユ『当たり前だろう。何でもお訊き。』
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茂「え、は、柱の…………あ!さ、坂本 茂雄と言います!こちらは同じ任務で行動を共にしている澤村 隆史です!階級は共に戊です!!」
隆「澤村です!!な、なんで柱がここに…。」
杏「炎柱、煉獄杏寿郎だ!!一ノ瀬家は俺の妻…間違えた!婚約者と血の繋がりがある家でな!隊服でない事で分かると思うが、元々は鬼殺目的ではなく私用でここへ来た!!」
杏寿郎が笑顔のまま明後日の方向を向いて話すので 二人は戸惑って汗を流し続けていた。
だが、杏寿郎は言い終わると突然バッと二人の方を向く。
それに二人はビクッと体を震わせた。