第28章 藤の花の家紋の家と癒猫様
男「煉獄様!!大変お待たせいたしました!」
杏「全く待っていない!こちらこそ急に押しかけて申し訳ない!!」
杏寿郎の言葉に初老の男が安心したような顔で襖を開けた。
そしてすぐに目と口を大きく開ける。
男「……これは驚いた…槇寿郎様にそっくりでいらっしゃる。ご年齢は伺っていたので助けて頂いた当時の槇寿郎様と似ていらっしゃるかとは思っていましたが…ここまでとは……。」
その様子を見て、桜は千寿郎を見たら更に驚くのだろうと思い 思わず小さく笑った。
すると男は桜を見て更に驚き、手を前にダンッとついて身を乗り出す。
男「水琴さん!?ああ、煉獄様はこの子を連れて来てくださったのですか!!二年もどこで…いや!それより体に問題はないのか!?頼勇には!会ったのか!?」
その勢いに二人とも目を見開いた。
杏「どうやら頼勇さんは精神的に参っていたから君を水琴さんだと思い込んでしまった、という訳ではなさそうだな。」
その言葉に桜は杏寿郎を見上げると、喉をこくりと鳴らしてから頷く。