第27章 仲直りとお買い物
「………えっ!?…これから…いきなりですか……?」
杏寿郎は大きな目のまま じっと桜を見つめる。
杏「帰宅してからにするという約束を破る形になるが、急を要する。買い物は終わったので言わせてくれ。ユキの事だ。昨晩から君はユキの姿を貸してもらえてないな。」
そう言われると桜は腑に落ちた顔をした。
「………はい…。何故なのか私にもわからなくて…。私のご先祖の家というより、この時代のユキに会いに行くのですね。何かしら手掛かりがあるかもしれない、と。」
桜が反対しないのを見ると杏寿郎はスッと席を立ち、てきぱきと勘定を済ませ外で要を呼んだ。
杏「すみません!紙と書くものを頂けますか!?」
杏寿郎はまた店内に戻ってみちるに紙を貰うと文を二つ書き、要の足に結ぶ。
「みちるさん、とても美味しかったです。また来ますね。健一さんにも宜しくお伝えください。」
行動の早い杏寿郎を見て桜も慌てて挨拶をすると、みちるはその様子を面白そうに見てからお辞儀をした。
み「ええ!また幸せそうな二人の顔を見せに来てくださいね!」
その笑顔に二人は微笑み返すと あっという間に店をあとにした。