第27章 仲直りとお買い物
『宮本新町』という看板のある立派な構えの店の前に立つと 杏寿郎が中へ入って声を掛けた。
女「いらっしゃいませ〜。…ああ、杏寿郎さん!…と、あら珍しい!!そちらの可愛らしい女性はどなたです?」
杏「こんにちは!こちらは俺の妻の桜です!桜、こちらが店主の奥様の宮本みちるさんだ。」
(妻………?訂正していいのかな…………。)
み「あら…………まあまあ!!あなた!杏寿郎さんが奥様を連れていらしたわよ!!」
―――ガァァンッ
みちるがそう大きな声を出すと客が振り返るとともに、厨房の方から何かを落としたような大きな音がした。
状況についていけない桜は満面の笑みの杏寿郎の隣で一人眉尻を下げる。
すぐに慌ただしい足音が聞こえて店主と思える男が走ってきた。
店「……………これは驚いた。」
店主は杏寿郎が桜の手を大事そうに握っているのを見て目を見開く。
杏「妻の桜です!桜、こちらが店主の健一さんだ。健一さんの作る料理はどれもこれも美味いぞ!」
それを聞くと桜は緊張や戸惑いを忘れて ふわっと嬉しそうな笑顔を浮かべた。