第27章 仲直りとお買い物
「次は風呂敷とハンカチを買いに行きたいです!」
杏寿郎は誤魔化されたことに一瞬眉を寄せたが、桜の言葉を受けるとすぐに切り替えて笑顔を浮かべる。
杏「うむ!!」
そうして桜は上手く対処出来たと安心して息をついたが、そんな努力の甲斐も虚しく噂は既に広まり始めていたのだった。
――――――
「これで一通り揃えることができましたね。杏寿郎さん、付き合っていただいてありがとうございます。ご飯にしましょうか!」
そう言いながら桜はとても大きな音で鳴いている杏寿郎の腹に視線を落とした。
杏寿郎はその言葉に太陽のような笑みを浮かべる。
杏「うむ!良い機会だ!馴染みの店へ行こう!!」
そう言うと桜の手を握り直してずんずんと歩き出した。
その速さで桜は杏寿郎が思った以上に歩調を合わせてくれていたのだと実感する。
そして今は合わせるのを忘れる程に空腹なのだと知って、微笑ましく思いながら走ってついていった。