第27章 仲直りとお買い物
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二人はまた呉服屋へ向かい、無事合流できた事を伝えると向かいの小間物屋へ入った。
「お化粧品も売ってますし、ほとんど女性しかいませんね。杏寿郎さん目立ったでしょう?」
そう問われると杏寿郎は周りを見渡して初めて気が付いたように目を大きくさせた。
杏「うむ!そうだったようだな。だが、商品に夢中で気が付かなかった!そんな事よりも君に似合いそうなリボンを見付けたんだ。」
杏寿郎はそう言うとあまり人がいない棚へ向かう。
すると周りの若い女の子の視線が一気に熱いものへと変わった。
(………?)
桜が首を傾げていると杏寿郎は葡萄酒色のリボンを手に取り、確かめるように桜の頭に軽く合わせる。
すると杏寿郎はパッと顔の色を明るくさせた。
杏「うむ!やはり似合うな!!」
「あの、杏寿郎さ、」
杏「他の色でほしい物はあるか?君は髪を上げると雰囲気が変わるからな!むぅ…合わせるとどれも似合うな…。」
そう呟きながら杏寿郎は他のリボンも合わせていく。
「ちょっと落ち着、」
杏「うむ!やはり全て買うとしよう。買わねば後悔しそうだ!」
その言葉に周りの若い子が声を上げて目を輝かせたので桜は杏寿郎が只事ではない事をしているのだと察した。