第27章 仲直りとお買い物
(この顔………、)
男はなんとも幸せそうな顔をしていた。
男「もう一度……をくれないかな。」
男「君が……くさせたんだ…。」
男「君が悪い。」
桜はその言葉に目を見開いた。
目撃者を頼りに杏寿郎が駆けつけた時、桜は馬乗りになった男の下で殴られていた。
その様子にビキビキと青筋を浮かべると、杏寿郎は一瞬で桜を腕の中に収めて男から距離を取る。
杏「桜…!桜!!大丈夫か!!」
杏寿郎は男を無視して腕の中の桜に呼びかけた。
すると恐怖から揺れていた瞳は途端に穏やかな色に変わり、桜はすぐに杏寿郎の胸に顔を埋めて力を抜く。
「やっぱり……来てくれた………。」
そう言われても 間に合わなかった杏寿郎は酷く辛そうに眉尻を下げ、桜の顔を上げさせると酷く腫れた頬に優しく触れた。
それにハッとすると桜は隠すように俯いて乱暴された場所を治していった。