第27章 仲直りとお買い物
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奥「困ったわ…。奥様、何着まで選んで宜しいか聞いていらっしゃいますか?」
(奥様…?何着まで……?)
上品な雰囲気を纏う奥さんにため息まじりに問われると、桜は二つの疑問から首を傾げる。
「いえ…ただ、必要なものを買うように、と言われて来ました…。」
その答えに奥さんは表情を明るくさせた。
奥「そういう事なら話は早いですわ!絞りきれなくて困っていたんです。」
そう言うと今まで合わせてきた反物の山を振り返る。
奥「煉獄様は普段仕立てる時、大まかな色と着数のみを指定なさいますが 今回は上限を定めるお考えがないようですね。」
奥さんの言葉に桜は驚き 慌てて首を横に振った。
「そ、そんな、まさか…!私が聞きそびれてしまったのかもしれません!多くても三着でお願いします…!」
桜の心底困った顔をみて奥さんも困ったように首を小さく傾げると、念の為にと杏寿郎に話を聞きに行った。
(鬼殺隊に協力したら報酬って出るのかしら…。そしたら煉獄家のみんなに何か贈りたいな…。)
そんな事を考えていると、思ったよりも早く 優しく微笑んだ奥さんが部屋へ戻ってきた。