第27章 仲直りとお買い物
杏(酷い冷え方だ。意識を手放すならする場所は気を付けなければならないな。)
杏「すまない。邪な気持ちは持たないと約束する。」
杏寿郎はそう低く言うと、欲を制してから桜を優しく抱き締めた。
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「………あったかい…。」
朝日を感じ、薄っすらと意識を浮上させた桜は心地良い温もりに涙を滲ませた。
「杏寿郎さん、温めてくれたんですね…。私はあのままでも平気だったのに…。」
また熟睡してしまっている杏寿郎に向かってぽつりと呟くと、こっそりと抱きしめて胸に顔を埋める。
「ちゃんと仲直りできるといいな…。」
桜は悩んだあと、杏寿郎に触れるだけの口付けをした。
そして枕元に正座をすると 僅かな光を浴びてきらきらと輝く髪を撫で続けたのだった。