第27章 仲直りとお買い物
一方、布団の中で杏寿郎は眉を寄せていた。
杏(し易いように寝たふりを決め込んだが、まさか布団から出て行くとは…。それに顔を見なくとも色香の影響を受けるのか…他の柱との長期任務は問題だぞ。)
そう思いながら大きくなった自身の昂りを睨みつける。
杏(これは相応しい罰だな。桜と和解するまでは指一本たりとも触れるまい。)
そう思いながら杏寿郎は桜の押し殺した声を心配そうな面持ちで聞き続けた。
―――
暫く経ったあと、桜の声がぴたっと聞こえなくなり杏寿郎はバッと身を起こした。
杏(動く気配がない。)
眉を顰めながら音無く隣室に近寄ると襖を小さく開く。
杏「…桜?」
桜はころんと横になって丸まったまま動かなくなっていた。
急いで部屋に入って顔を覗くと、頬を染めてぐったりとしたまま意識を手放したように目を瞑っている。
杏寿郎は眉尻を下げて襦袢を整え 桜を布団へ運んだ。