第25章 嫉妬の対策と変わる関係
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杏「では風呂へ行ってくる!」
杏寿郎はにこっと笑って桜の頭を撫でる。
それに俯きながら頷く桜を見ると、杏寿郎は人知れず眉尻を下げてから風呂へ向かった。
(受け入れたらもう後に引けない。…ちゃんと覚悟を決めなきゃ……。)
桜の俯きは杏寿郎への拒絶や気まずさから来るものではなかった。
時間を掛けながらもきちんと覚悟を決めると、桜はバッと顔を上げる。
そして杏寿郎の後を追いかけて風呂へ向かった。
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脱衣所へ着くと杏寿郎が湯を被る音がした。
桜は喉をこくりと鳴らすと身につけているものを脱ぎ、深呼吸をして無防備な自身の体を見下ろす。
(全て…見せる……。杏寿郎さんが必要としているのなら…嫉妬で苦しくさせないように私が手伝えるのなら…、いつも安心をくれる彼の助けになりたい。)
桜は気合いを入れるように口をきゅっと結ぶと風呂場の戸へ歩み寄った。