第25章 嫉妬の対策と変わる関係
「きょ、杏寿…、」
杏「例えば、このすぐ隠してしまう愛らしい恥じた顔…これを見れる唯一の男になりたい。」
そう言われると、桜は顔を上げさせ続ける杏寿郎の腕に両手を伸ばした。
(この腕を引き離そうとせず、されるがままこの恥ずかしさに耐えれば…従順なの……?)
恥ずかしさが先に立っていた桜は自信がなくなり、杏寿郎の腕を掴むと手を離せなくなる。
羞恥の涙を滲ませて固く目を瞑ってしまった桜を杏寿郎は眉尻を下げて見つめた。
杏「すまなかった。忘れてくれ。」
杏寿郎は短く言うと桜の顔から手を離して机の方をへ向かせ、後ろから優しく包むように座りながら安心させるように頭を撫でる。
桜は何か言わねばと口を開くも 綺麗に気持ちを切り替えてしまった明るい杏寿郎に掛ける言葉が見つからず、ただただ明日の買い物について話し合ったのだった。