第4章 協力者
千「神様の友達で、使命を託され未来から来た…。」
目を大きくしながら話を聞いていた千寿郎は、小さく俯いて呟いた。
そしてまた顔を上げると、真剣で切羽詰まった様子の桜と目が合いハッとする。
千(桜さんは上手に嘘をつけないはず。確かに信じられないような事だけど、もうすでに信じられないことは起きちゃってるし…。)
千寿郎は小さく息をつきながら瞬きした後、ふわっと笑った。
千「…分かりました。信じます。僕で宜しければ頼ってください!」
桜は、頼んでおきながらもこんなにあっさりと返事がくるとは思っていなかった。
目を見開いて固まった後、へたりと座り込んでしまう。
「よ、よかったあー…。こんな怪しい人を信じてくれてありがとう……。」
桜が泣きそうになりながらそう言うと、
千「ふふ。確かにとんでもない話でしたが、桜さんは嘘を付けばすぐわかりますから。」
と言いながら千寿郎は桜の目線に合わせるようにしゃがんだ。
それを聞き、桜は驚いたような納得したような顔をして千寿郎を見つめる。
その顔が年上であるはずなのに、千寿郎には愛らしく見えて思わず くすくすと笑いだしてしまった。
一方、桜は一瞬驚いた顔をしたが、千寿郎の年相応の反応に ただただ微笑ましそうに目を細めたのだった。