第4章 協力者
そう言うと千寿郎は愛らしく眉尻を下げて首を傾げた。
千「たいむ…すりっぷ…?」
気合いを入れたのに出鼻をくじかれ、桜は眉尻と視線を下げてしまう。
「えっと…、未来からここの時代に来てしまったみたい…。」
桜は居心地悪そうにしながら千寿郎を見ると、やはり ぽかんとした顔をしてまだ首を傾げていた。
「だから、服装も鞄も風変わりだったんだと思う…。それにこの時代の常識もあまり知らないみたいだし…。」
不安から視線は落ち、声も小さくなる。
だが しばらく黙ったあと、桜は申し訳なさそうな顔をしながらもまた口を開いた。
「人だと信じてくれたのに新しくとんでもない事を言ってごめんね。でも…、本当に本当なんだ…。」
本当なら協力者に少年を選ぶのは賢明ではないかもしれない。
だが、あどけない面影が残る目の前の少年は年齢の割にしっかりしていた。
加えてここに来てから会った二人の中で心許せるのはこの子だけだった。
「……だから…、」
眉を寄せて真剣な顔をする。
「だから、ここで生きる為に手助けしてくれませんか…?」