第24章 不思議な縁と晩酌
杏「そんな事はありません!桜は俺の言う事を聞ける良い子です!」
まるでペットのような言い方に桜は眉尻を下げた。
「杏寿郎さん…それじゃ私はまるで飼い犬です…。」
それを聞くと杏寿郎は不可解な顔をして首を傾げる。
杏「すまない。勿論女性として見ているが、そのように思わせてしまうとは…。確かに先程は犬のように尻を、」
「ま、ままって!!待って下さい!!!嫌な予感しかしないです!!」
それのやり取りを見て千寿郎は首を傾げ、槇寿郎は苦い顔をした。
槇「…杏寿郎、桜。その事で後で説教がある。煉獄家の中で常識のある子供は一番幼い千寿郎だけのようだな…。」
それを聞くと子供三人は皆 目を丸くした。
――――――
「ごちそうさまでした!」
笑顔の桜がそう言って手を合わせると、杏寿郎と千寿郎も真似をして微笑みながら手を合わせた。
(お昼は私の真似をして合わせてくれただけで、この時代では『いただきます』と『ごちそうさま』は言わないのかな……。)
桜はこうした小さなズレに少し心細さを感じてしまう。
杏寿郎はそれにすぐ気が付くと柔らかく微笑んだ。