第24章 不思議な縁と晩酌
槇(…体調は悪そうに見えないな。そもそもこいつは許しを出したのか…?)
奇妙な視線を受けて桜は困ったように首を傾げた。
槇「…………お前、杏寿郎とは……上手くやっていけそうなのか。」
槇寿郎は悩んだ末にふわふわとした質問を投げる。
桜はその言葉に目を大きくすると花のように笑った。
「上手くいかない未来は想像できません!」
その迷いの無い返事を聞くと槇寿郎は目を細める。
槇「ああ、その様子を見るにお前はただの被害者じゃないな。お前も説教だ。覚悟しておけ、非常識者どもが。」
「え!?」
桜は心当たりはないものの 槇寿郎の言葉の強さに青くなった。
(説教…非常識……。非常識者 "ども" ……。杏寿郎さんのこと…?)
槇寿郎は 眉尻を下げてとぼとぼと付いてくる桜をちらっと盗み見ると、その困惑した様子に溜息をついた。
槇(思い当たる事がない、といった顔だな。)
そんなやり取りをした為、居間に入る肝心な時 二人の雰囲気は柔らかいものとは言えなかった。