第4章 協力者
千「桜さま!?大丈夫ですか!?」
千寿郎を安心させたくても桜の体は震えて言うことを聞かない。
(今の子…私の…大事な…………弟だ。)
どくどくと激しく打つ脈を抑えるように胸元にぎゅっと握り拳をあてた。
千寿郎は尋常じゃない姿に驚き、慌ててしゃがむと畳についた桜の手に自身の手を優しく重ねる。
その温かさに力が抜け、桜はやっと息を吐く事ができた。
「あ、ありがとう、みのる…。」
桜は千寿郎にお礼を言いながらとても恥ずかしそうな顔をすると、信用しきった無防備な笑顔を浮かべる。
千「……………。」
知らない名と桜の様子に千寿郎は薄く口を開いたまま、何も言えなくなってしまった。
一方桜は目を閉じて深呼吸を繰り返し 息を整えていた。
そしてやっと落ち着いた時、今度は自分のものじゃない酷く悲しい気持ちが流れ込んできて眉を顰める。
(これはユキの感情なのかな……すごく辛い………。)
続いて再び人々が戦う光景が浮かび、桜はハッとすると拳にぎゅっと力を込めて集中し直した。
「……なんか書いてある……"滅"…?」