第23章 ※愛し方
「わ!!きょ、じゅろさ………まって!!!」
杏寿郎は桜をひょいっと持ち上げ、易々とうつ伏せにすると帯を解き出した。
(…う、そ……脱がす気なの………?脱がなくても出来るんじゃ……。)
そう思いながら慌てて腰に手を伸ばして止めようとするもやはり杏寿郎の力には到底及ばない。
そうして必死に杏寿郎の腕を掴もうとしている内にバサッと重い音を立てて帯が落ちた。
腰紐もするっと解かれ、振り袖は呆気なく前が開いた状態になってしまう。
「………ッッ!!!」
中にあるのは襦袢と胸を押さえつけるための下着だけだ。
「…あ、あああのっ!!杏寿郎さん!このままだとすごく恥ずかしい姿になってしまいます!耐えられそうにありません…!」
その必死な声を聞くと、杏寿郎は笑って桜の頭を撫でる。
杏「そうか!恥ずかしいか!!君は相変わらず愛いな!気が付かずすまなかった、それなら俺も脱ごう。」
そう言い桜を仰向けにさせると、その目の前で杏寿郎はまた迷いなく自身の道着をはだけさせて袖から腕を抜いた。
(…ち、違う、一人で脱ぐのが恥ずかしいんじゃない…脱ぐこと自体が…………っ…、)
見慣れない男の裸体を直視する事が出来ず、桜は顔を一生懸命背けているうちに杏寿郎に振り袖をするりと取られ、襦袢の腰紐も解かれてしまった。