第23章 ※愛し方
そう言うといつもは努めて優しく接していた杏寿郎は無意識に桜を乱暴に押し倒した。
これには流石に桜もビクッと体を震わせて不安そうに眉尻を下げる。
その顔を見て杏寿郎は目を丸くした後 苦しそうに目を細め、そして何故か可笑しそうに笑った。
杏「いよいよ俺は可怪しくなったようだ。君が怯える様子も愛おしくて堪らない。なるべく優しくするよう努めるが、怖ければ朝のように泣いて意思を伝えてくれ。……止めることは約束する。」
その苦しそうな笑顔が杏寿郎の物だとは思えず、桜はただただ目を大きくして杏寿郎を見ていた。
そうしている間にまた深い口付けが始まる。
口付けが激しくなるに連れ水音が大きくなると 桜は羞恥で更に頭を痺れさせた。
「………ッッ!!!!」
杏寿郎の手が桜の体をなぞり、胸の上で止まった。
(…胸…触る必要ってあるの……?)
思わず杏寿郎の手を遮ろうとすると、杏寿郎の大きな手が桜の両腕を捉える。
「…そ、、んなっ…まっ………て……、っ!!」
と言っても振り袖越しだと触られている感覚は鈍い。
だが、その場所に男の大きな手がある事自体に桜は強い羞恥を覚えた。