第23章 ※愛し方
(杏寿郎さんしたいみたいだな…でも私は杏寿郎さんと違って心臓がもちそうにないよ……。)
しかし杏寿郎は相手が愛しい婚約者な上、子供が出来ない保証もでき、それが愛し合う術だと知れば試したくて堪らない。
杏「桜。頼む。」
そう熱を孕んだ声で頼まれ、桜はたじろいで悩みだした。
(そ、んな…自慰の仕方が分かったのはとてもありがたいけど、性交はまだ心の準備が足りなさすぎて…杏寿郎さんのしたいって気持ちはすごく伝わってくるから応えてあげたいとは思うけれども…、)
「んむっ!!」
杏寿郎は桜から唇を離すとぞくぞくとするような強い目を向けた。
杏「桜。予め宣言した通り、君が迷っているうちは手を出すからな。」
その力強く燃える瞳に桜は息を呑んで固まってしまう。
「あ、あの…ですが……、…ッ!!」
そして杏寿郎が深い口付けを始めると桜はまた独特な色香を放ち始めた。
しかし朝にたくさん果てたからか それは初めと比べると少し落ち着いていて達するまでの時間も少し長くなっている。
それでも痺れる頭と共に桜の思考は呆気無く働かなくなっていったのだった。
―――
「杏、じゅろ…さん……。」
杏寿郎が顔を離すと同時に、桜は愛おしそうに甘い声で杏寿郎の名を呼んだ。
それを見ると杏寿郎は額に青筋を浮かべて何かを耐えるように眉を顰めたが、すぐにそれを止めて瞳に荒々しい色を浮かべた。
杏「ああ、そういえばもう君に手を出しても子は出来ないのであったな。その上、君はもう俺の妻になる。その煽りにはもう自制をしてやらんぞ。」