第23章 ※愛し方
「そ、それで、お披露目という事は、会議にはお館様以外の方もいらっしゃるのですよね…?それってどなた…、わ、私とこれから蜜に接する人だとしたら…それって……、」
もう答えがわかっている様子を見ると杏寿郎は面白そうに笑って桜の頭をぽんぽんと撫でた。
杏「うむ!柱の皆だ!!そもそも柱合会議とは柱の会議の事だ!!!」
その言葉を聞いてケンタッキーを手放すと、桜は癒やしを求めて思わず千寿郎を抱き締めた。
ぎゅーっとして撫でると千寿郎はぽーっとした顔になっていく。
「せ、千寿郎くんも一緒にいかない…?ちょっと怖くなってきちゃった。一番階級の高い方々が一箇所に集まる所に行くなんて…。」
二人の世界になってしまった様子を杏寿郎は目を大きくして見ていた。
兄の前でその婚約者に抱きつかれた場合 気遣い屋の千寿郎ならすぐさま離れようとする筈なのに今は大人しく抱かれ、それどころか桜を抱き締め返そうと腕を上げ始めている。
「…わわっ!」
杏寿郎は気が付いたら脇に手を差し入れて桜を持ち上げていた。
杏寿郎は二人の事を信用しているし、今抱いている感情も純粋な嫉妬とは少し異なる。
ただ、パッと見ると千寿郎の方が背が高い為どうしても男女が抱き合っているように見えてしまい、体が自然と邪魔するように動いてしまうのだ。
一方桜は持ち上げられながら不思議そうに首を傾げると少し振り返って杏寿郎を見る。