第21章 受け入れる決意
(一番に懸念していたのは任務で余裕がなくなって、杏寿郎さんと向き合う時間が減ることだった…。)
(でも…それを……杏寿郎さんも一緒に解決してくれるのなら……………、)
桜はもう一度目を開け、杏寿郎の揺れる髪の毛を見つめた。
(……それなら、迷う必要ってあるのかな……………。)
そう思うと、桜はおそるおそる手を伸ばす。
(この人は必ず言った事を守ってくれる。絶対に二人で解決していける。…だから……だから、私もこの誠意に応えて、必ず二人で支え合うって心に決めよう。)
桜は、思い切ったように ぎゅっと杏寿郎の背中にしがみついた。
すると杏寿郎の動きがピタッと止まる。
そして無言のまますぐに抱き締め返された。
杏「こんなに嬉しい事はないな…。桜、愛している。本当に好きだ。…好きだ。」
杏寿郎は桜の肩に頭をすりっと擦り付ける。
柔らかい髪が首に触れてこそばゆい。
杏「大事にする。俺が君をずっと守ると約束しよう。」
それを聞くと 桜は初めて味わう熱い感情に目を見開き、無意識にぽろっと涙を溢した。