第21章 受け入れる決意
「私も杏寿郎さんが好きです。大好きです。私も貴方を守りたい。絶対に死なせません。」
桜も杏寿郎の胸に頭をすりっと寄せる。
杏「頼もしいな。桜、顔を見ても良いだろうか。」
桜は涙を流したばかりだったので心配をさせてしまうかもしれないと思い、首をふるふると横に振った。
それなのに杏寿郎は桜の肩を掴んで体を離れさせる。
桜は慌てて手で顔を隠そうとしたが、呆気無く杏寿郎に腕を掴まれてしまった。
杏「頬が赤い。相変わらず酷く愛らしいな。…泣いてしまったのか。」
杏寿郎は桜の腕から手を離し、優しく涙を拭った。
「か、悲しくて泣いたわけでは…自然と溢れて…。それより杏寿郎さん、ちょっと強引なんじゃ……。」
桜が困惑したように言うと、杏寿郎は嬉しそうな笑みを浮かべる。
杏「ああ!他の男が知らない君の表情を見られるのは恋人の特権なのでな!」
(い、良い笑顔…何だか吹っ切れたような感じがする。暴走しないと良いんだけど…。)
桜が少し眉尻を下げている事に気が付き、杏寿郎は優しく頭を撫でた。