第20章 ※一人で
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杏寿郎は後処理をしながら複雑そうな声を出した。
杏「俺のを見て君は欲情しないのだな。それどころか酷く余裕があったように思えるのだが。」
それを聞いて桜は眉尻を下げて笑った。
「なんだか…凄すぎて、びっくりしてたら杏寿郎さんすごく余裕なさそうで…珍しくて、愛らしく感じて…。」
それを聞いて杏寿郎は落ち込むように眉尻を垂れさせる。
杏「よもや君に愛らしいと言われるとは…。男としては少し複雑だぞ。」
そう言って再び布団へ入り、桜をそっと抱きしめると静かな声を出した。
杏「……先程、君から口付けをされ、更に愛していると言われた気がするのだが。」