第20章 ※一人で
杏「自慰をすれば先程のように酷く乱れないかもしれないぞ。桜、自慰の仕方は分かるか。自分で達する術だ。」
「…い、いえ…。…すみません…。」
杏「そうか。俺も女性の仕方までは分からないな。友人に訊いておこう。」
杏寿郎はそう言うとすぐに机へ向かった。
「男性はどう……、」
桜は何気なく聞こうとして慌てて口を閉じる。
「男根を擦り続けると出るらしいぞ。」
口を噤んだ桜に気が付かず、杏寿郎はあっさりと答えた。
(だんこん…多分、話の流れ的に男性の…だよね……。)
顔を真っ赤にするも桜は違和感を感じて首を傾げる。
「……"らしい"?」
杏「ああ。俺もした事がないのでな!」
"なるほど" と頷きつつ 桜は無意識に布団へ戻ってきた杏寿郎の下半身へ目を向けた。
だが、密着しすぎていて杏寿郎の体さえまともに見えない。
そこで桜は無意識にもぞもぞと動いた。
(みのるとお風呂入った時も見ちゃいけないかなって思って目を逸らしてたから…教科書の絵しか分からない…。)
しかし、杏寿郎が黙ってしまっている事に気が付いて ハッと顔を上げる。
杏寿郎は眉をキリッとさせて微笑んでいたが、冷や汗をたらたらと流していた。