第20章 ※一人で
「せ、性的な事でしたら…生殖器と、子供を作る方法や、避妊の仕方…ぐらいだったと…。」
小さな声でそう答えると、杏寿郎は不思議そうな声を上げる。
杏「それを全て紙で教わったのか。絵付きか?」
「絵は…生殖器の図が……。」
杏「………それで本当に分かるのか…?」
「……………。」
桜は実のところよく分かっていなかったので、少し居心地悪く思った。
「あ、の……でも、最低限は分かっているかと…。」
杏「うむ!つまり君は良く分かっていないのだな!」
ハッキリとそう言われ、桜は情けないような恥ずかしいような気持ちになりながら杏寿郎に抱き締められた。
杏「愛いな、本当に。」
そう言いながら杏寿郎はまた腕に力を込める。
少し苦しいが、加減してくれている事が分かった。
「杏寿郎さん。杏寿郎さんは…どこまで……その…、」
杏寿郎は腕を緩め、言い淀む桜を覗き込んだ。
杏「子作りと、自慰の仕方は知っているな。他にも一方的に友人が話してきた事があったが、俺は興味が無くてよく聞いていなかった。」
そこまで言って杏寿郎はハッとする。