第3章 新しい世界
千「兄上が帰ってきました!!お出迎えに行ってきますね!」
千「そちらで待っていてください!紹介します!」
そう慌てて言い、庭へ下りると千寿郎は走って行ってしまった。
残された桜は先程の男の声を聞いてから固まっていた。
(あの声……若い男の人だよね……………。)
瞬間、逃げたいという想いから急いで門の外を見る。
だが、先程の声の主以外にも道には男の人が見えた。
(ここに居るしかないの………?)
そう思い、体をこわばらせると、
―――ぽんっ
軽い音を立てて猫の姿になってしまった。
「あ…あれ……?」