第18章 同僚への相談
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「すー…………」
桜は自分の呼吸音だけ聞いていた。
だが、突如 どくんっと心臓が嫌な動きをして目を見開く。
「……っ!!…けほ…っ………ぅっ!!」
桜は伏せて荒く呼吸を乱した。
「はっ…はぁ……っ…な、何!…今のっ………!」
千「桜さん!!大丈夫ですか!?」
降ってきた声に驚いて顔を上げると、千寿郎が眉尻を下げて心配そうに首を傾げていた。
気が付くと口の中に甘い香りがある。
千「………夕餉に呼ぼうと庭へ降りたのですが、桜さん…お饅頭を口に入れてももぐもぐと食べてしまうから困ってて……、」
千「…しばらく声を掛けていたのですが、今…いきなり苦しそうに……。」
それを聞いて桜は目を丸くした。
「心臓がどくーんってなっただけだよ!それより!お饅頭じゃ途切れないくらい集中出来てたんだ…!!」
そう言いながら目を輝かせる桜に、千寿郎はスッと真顔になった。