第18章 同僚への相談
千寿郎の真顔など見た事がなかった桜はビクッと体を震わせる。
千「…一応聞きますが、夕餉はいりますか?」
桜は静かな声に冷や汗をたらたらと流した。
「い、頂けるととても助かります……。」
それを聞くとすぐに千寿郎はピリついた空気を解いた。
桜はふぅっと体の力を抜くと、太陽が沈んでしまっている事に気が付く。
「…あ……杏寿郎さんは………?」
それを聞いて、ちょっと困ったような顔で千寿郎は振り返る。
千「兄上は一時間ほど前に任務へ行かれました。」
「………そっか…。」
(お見送りは必ずしたかったのに…。)
あからさまにしょんぼりとする桜を見て、千寿郎は明るい声を出した。
千「大丈夫です!兄上は柱ですから!……今日は立派な鮭を買えたんです、早く食べましょう!」
そう言うとタッと走り、桜の脚拭き用の手拭いを手に持った。
桜もそれを見ると、気分を切り替えて千寿郎の元へ走って行ったのだった。
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一方その頃、杏寿郎は険しい顔で走っていた。
杏(様子がおかしい。)