第17章 覚悟と誠意、新しい関係
千寿郎は少し呆けていたが、しゃがみこんでいる桜を見てハッと我に返った。
千「桜さん!大丈夫ですか…?」
そう言って千寿郎もしゃがみこむと桜の様子を窺った。
桜は顔を両手で隠していたが、完全には隠しきれておらず 赤い頬と固く閉じた目が確認できる。
千「あ、あの…兄上は湯たんぽ代わりにまた桜さんを…?」
桜は少し固まっていたが、観念したように頷いた。
千「桜さんが寝てる間に兄上は目を覚ましてしまったのですね…。」
千寿郎は眉尻を下げながらも納得したように言う。
だが、すぐに眉を寄せて首を傾げた。
千「兄上は先ほど 僕に嫉妬したとか、他に抱きつくなと言っていましたが……、」
千寿郎は言葉を切って桜を見つめる。
千「………お二人は、その…恋仲になられたのでしょうか…?」
その言葉にバッと顔を上げると、桜は勢い良く首を横に振った。
「ち、ちがうちがう!!!そうじゃなくて…っ…あの…………、」
桜は言い淀む。