第97章 【番外編】花火大会
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「わ…っ!!」
杏「これは見事だな。」
桜は杏寿郎に肩をしっかりと抱かれながら花火を見上げた。
桜がすぐに川に落ちそうだからだ。
「……杏寿郎さんは私に初めてをたくさん下さいます…。」
杏「まだまだあるぞ。楽しみにしていてくれ。」
それに嬉しそうに頷くと、桜はコンデジの代わりにスマホを手に取り花火を撮り始めた。
しかし上手いタイミングでシャッターを切れない。
「むぅ。」
杏「動画にしてはどうだ。」
「なるほど!」
杏寿郎に言われて桜はすぐに動画に切り替える。
しかし撮り始める直前、誤タップによりインカメラに切り替わってしまった。
それを見た2人は遠い昔を思い出した。
杏「桜。せっかくだから、」
「だめです。」
杏「貸してくれ。」
杏寿郎は優しい声で有無を言わさずスマホを取り上げると、ぴょこぴょこと跳ねながら眉尻を下げて抗議する桜の頭を撫でた。