第97章 【番外編】花火大会
桜はこの日の為に買ったばかりのコンデジを手にはしゃいでいる。
杏「あんまり落ち着き無くしているとカメラを、」
「あっ」
杏寿郎が注意した時、丁度そのタイミングで桜は見事にカメラを川へ落とした。
―――ちゃぽんっ
「…………………………………………。」
桜の呆然とした顔を見ると杏寿郎は川に飛び込もうとした。
それを桜が慌てて止める。
「暗い川に迷わず飛び込もうとしないで下さい!!」
杏「手遅れになるぞ!!」
「既に手遅れです!!」
杏寿郎は自身を止める桜が涙目になっている事に気が付くと、頭を優しく撫でてから川に飛び込んだ。
「え!?……うそ…た、大変……!杏寿郎さんッ!!タオル用意しなきゃ…!!」
桜は慌てて立ち上がると2回ほど転倒しながらスタッフの元へ走った。
女「と、飛び込ん……川にですか!?警察に、」
「大丈夫です!必ず上がってくるので!それより風邪を引いてしまわないようにタオルを貸して頂けませんか?必ず弁償致しますので…!お願いします…!!」
女「…………そ、そうですか…。」
女性スタッフは桜の迷いのない目を見ると困惑した様子だったが急いでタオルを用意した。