第97章 【番外編】花火大会
杏「やはり今日から2膳食べてもらう。君は軽すぎるぞ。」
「ぶにぶにになったらどうするんです。ダイエットを頑張らなくちゃいけないのは私なんですよ。」
杏「では運動をしよう。筋肉を付けてもらう。君が甘露寺のようなら心配ないのだが。」
桜はそう言われると少し眉を寄せ、地面に足を下ろしてすぐにそっぽを向いた。
(蜜璃ちゃんは好きだけど比べられるのはなんかちょっとやだな…。)
杏「桜?」
「不死川先生ならもっと気持ちを分かってくれるだろうな。」
桜は背を向けつつ少し大きめな声でそう言うと駐車場の出口へ向かった。
杏寿郎はそんな桜の腕を掴んで引き留める。
杏「どうしてそうなる。君の旦那は俺だろう。比べた上に他の男を褒めるとはどういった了見だ。」
そう言われると桜はパッと振り返ってなるべく背伸びをしながら杏寿郎を睨んだ。
「そうですね。比べられるとやきもきしますよね。とーっても分かります。」
それだけ言うと桜は背を向け、腕を掴まれている事を忘れて再び歩きだそうとした。
すると桜の足が見事に滑る。