第97章 【番外編】花火大会
「とうとう明日ですね!屋台もあるんですよね?何食べよう…。」
杏「うむ!君は相変わらず食べるのが好きだな!」
「う…杏寿郎さんには負けますよ…。」
桜はそう言いながら運転席の杏寿郎を少し恨めしそうに見つめた。
杏「だが今回は屋台とは縁遠いかもしれんな。」
「………?」
2人が話しているのは翌日の花火大会についてだ。
「それにしても驚きました。花火を見るのに席が必要だなんて…。立って見るイメージが強かったです。ドラマに出てくる人達もよく立って見ていますし…。」
杏「そうだな。確かにそういう人達もいる。だが君は長く立っていられないだろう。」
「もう…まだそんな事言ってるんですか。」
桜は花火はやはり立って見る事もあるのだと認識し直しつつ、相変わらずの杏寿郎の過保護っぷりに少しだけ困った様に息をついた。
それと同時に2人のマンションに着き、杏寿郎は車を停めるといつものように慣れた手付きで助手席を開ける。
すると桜も同じく慣れたように杏寿郎の首に腕を回してきゅっとしがみついた。