第96章 夢が叶う時
天「お前さあ、友人関係とか考えてんの?」
そんな璃火であったが唯一近付ける男がいた。
それは厚寿郎の同級生で幼馴染みの天満だ。
しかし璃火の事は "ぼけぼけとしている友人の妹" くらいにしか捉えていない。
璃「え?」
天「お前に言ってねぇよ。」
璃「そっかあ。」
少し冷たく接しても璃火は特に気にせず鉄棒に手を伸ばした。
その練習には厚寿郎と、その厚寿郎についてきた天満が付き合っている。
厚「…だって…璃火にはまだ早いよ。」
天「彩火はもっと自由だったろ。」
厚「……………………。」
天満は璃火の友達事情を心配するような性格をしていない。
そんな らしくない話題を振った天満から姉の名が出てくれば本当は何の話題に移りたいのかは容易に想像出来た。
それと同時に厚寿郎の視線は冷ややかなものとなる。
しかし天満もまた動じない。
天「口実にして悪かったって。そろそろ、」
厚「『軟派な男には興味ない。』って言ってたよ。」
天「……はぁ。またそれかよ。俺そんな事したか?」
天満はビニールプールで赤い顔の彩火に見惚れてから彩火にちょっかいを出すようになったが 彩火は頑として受け入れない。