第96章 夢が叶う時
彩「お父さんはお母さんのこと名前でしか呼ばないけど、他の家のお父さんは『お前』とか『お母さん』って呼んでたの。」
慶「お母さんも父上のことをたまに『お父さん』って呼ぶぞ。」
彩「お外で父上って呼ぶのやめて。」
悠「理由はわからないけどお母さんのためだと思う。父上はいつもお母さんを大事にされているからな。」
彩「今度お外で父上って言ったら二度と口きかない。」
派手な色の髪と瞳な上に抜群に整った顔立ちの目立つ3人は小学校でも一緒に居ることがしばしばあった。
社交的な慶寿郎と悠寿郎は勿論、誤解をされ易い彩火も今ではすっかり大勢の友人がいる。
しかし3人は三つ子ならではの特別な絆があり、共有したい情報はすぐに話す習慣が身に付いていたのだ。
慶「悠寿郎、彩火は本当に口をきかなくなるぞ。気を付けろ。」
悠「ああ。慶兄もだぞ。」
彩「……それでね、さっきいつも名前で呼ばないのかきいてみたの。その時に知ったんだけど…その、あんまり……さわったりもしないらしいよ。」
その言葉に慶寿郎と悠寿郎は首を傾げる。
悠「ちゅうもか。」
彩「………………………。」
慶「…そうなのか。」
こうして3人は自分達の両親が他と少し異なる事を徐々に知っていったのだった。