第95章 続々と
慶「彩火がドジなのは "ちょうしょ" だ!!」
悠「 "あいらしい" だろう!!!」
自然と杏寿郎を真似てしまっている2人を見て桜は苦笑いをする。
杏寿郎はそんな桜が座る縁側に戻ってくると唯一『ぷーるはさむい』と言って拒否した璃火を撫で、桜の肩を抱いた。
杏「確かに先程の表情は君に似ていたな。」
「あ……杏寿郎さん、彩火のギャップは男の子に対して効果抜群のようですよ。」
少し楽しそうな声色を出しながら口を手で覆う桜の視線の先で、赤い顔の彩火を見つめる天満が固まりながら頬を染めている。
それを見ると杏寿郎は目を見開き再び走っていった。
天「お前、」
杏「そのままでは風邪を引くだろう!!乾かしておくので厚寿郎の服に着替えてくると良い!!!」
天「え、あ…、」
そう言いながら杏寿郎は有無を言わさず天満を抱え上げ、屋敷へと連行する。
そんな杏寿郎の慌てた様子を見た彩火と兄2人、厚寿郎は呆然とし、ぽーっとしている璃火の隣の桜はくすくすと笑ったのだった。
そんな誕生日も過ぎ、11月になるといよいよ桃寿郎がいつ産まれてもおかしくない時期へと入った。