第95章 続々と

厚寿郎は終始大人しく寝ていたが、杏寿郎に手を引かれている慶寿郎と悠寿郎は電車に自身の足で乗ることが出来て目を輝かせている。


それを見て彩火は少しうずうずとしていたが、桜が『降りてみる？』と聞くと首を横に振った。




彩「私はよく転ぶから今はまだいいの。」




まだ幼い声で発せられたその言葉を聞くと杏寿郎と桜は顔を見合わせる。




杏「彩火は自己分析に長けているな。2歳の頃の君に聞かせたい。」


「う。」




桜は彩火を褒めるように撫でながら杏寿郎に対して何も言えずに頬を染めた。





―――




天「おーよくきたなぁ！」


須「ささ、上がって下さーい！」

雛「大変でしたでしょう。」

ま「いらっしゃい！」




天元の家に着くと天元と須磨、雛鶴、そして天満を抱いたまきをが出迎えてくれた。




杏「うむ！！ありがとう！！！」


「お邪魔しますー。」




歓迎ムードに杏寿郎は眩い笑顔、桜はふわふわとした笑みを見せ、慶寿郎と悠寿郎は『こんにちは！！』と言い、彩火も静かに『こんにちは。』と挨拶をする。