第95章 続々と
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そうして上の子供達がしっかりとしてくると厚寿郎を瑠火に任せ、杏寿郎と桜は槇寿郎に付き添ってもらいながらユキの元へ向かった。
彩火は杏寿郎に抱っこしてもらって階段を登ったが、慶寿郎と悠寿郎はなんと1人で裏山を登り切った。
「恐るべき体力…、恐るべき杏寿郎さんの遺伝子…。ユキ、ユキー。」
息を切らした桜がそう呼ぶとユキがふわっと現れる。
ユ『……その子達は……………桜達の子か。その二人も杏寿郎かと思ったよ。』
「ふふ、年齢が全然違うでしょう?」
あまり年齢に頓着しないユキは桜にそう言われても首を傾げた。
その時、彩火が杏寿郎の胸にしがみつく。
彩「きらきら…。」
珍しく子供らしいわくわくとした声色で呟いた彩火に杏寿郎は目を見開いた。
杏「桜、ユキ!彩火が恐らくユキを見ている!!慶寿郎と悠寿郎は…、」
「えっ」
桜はそう言われて彩火を見ると確かにユキが居る方に視線を向けている。
しかし慶寿郎と悠寿郎は目立つ筈のユキの姿へ視線を向けず ただただ何故か顔を顰めていた。