第94章 成長
勇「煉獄家の遺伝子は凄いな……。」
勇之は微笑みながらも杏寿郎とそっくりな慶寿郎と悠寿郎を見てそう呟く。
そこに杏寿郎と槇寿郎が寄って来る。
杏「俺の小さい頃と瓜ふたつです。」
勇「そうだろう。だが桜の子だとも分かる。何故なのだろうな。」
杏「頑固そうな表情でしょうか。」
槇「そうだな。桜は1度決めると引かない。」
勇「なるほど。確かに桜は昔から…、」
「杏寿郎さんも頑固ですよ!」
由梨と共に居た桜は彩火を抱っこしながら心外そうな顔をして3人に声を掛けた。
すると杏寿郎は振り返って微笑む。
杏「君には敵わない。」
「そんな事ありません。杏寿郎さんの方がずっと頑なですよ。」
杏「いや、いつも君の方が折れないだろう。」
「それは杏寿郎さんですよ。私がいつも折れています。」
杏「そんな事はない。昨日だって…、」
そうして言い合いが始まると槇寿郎と勇之、由梨は『どちらも相手の事を言えない』と思ったのだった。
瑠「勇之さん、由梨さん、いらっしゃいませ。どうぞ我が家のようにごゆるりとお過ごしください。」
桜達が子供の面倒を見ている間にお茶を淹れた瑠火が顔を出す。
そして場が落ち着くと漸く会が開かれ、主役の3人は趣旨を理解していないものの 人見知りしない性格であった為に人が多く集まり終始嬉しそうに笑っていたのだった。